空白雑記

暇つぶし

鬼滅の刃面白い

転スラ(転生したらスライムだった件)が一番売れているなろう作品だという。講談社でも一押しな感じの。

 

あんまり面白いとは思わなかったが、読み返してみて、最近おもしろいなあと思ってる鬼滅と見比べて納得した。

 

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転スラは、補助輪つきの自転車なんだ。鬼滅だと、これは炭治郎の覚悟を見極めるためのあえての攻撃(殺す気なら首をはねる)なんだけど、それが読み取れない、こける人も、都度都度主人公が今思ってることの解説、大賢者の回答が差し込まれるから読める。

 

つまり転スラというのは、そこそこ面白いんだが、補助輪がついてて3歳児なみの文化能力でも読める、優しい漫画というのが、特筆すべき点なんだ。義勇さんがあえてねず子を刺したことが読み取れない人には、鬼滅は、意味のわからない物語になるのだ。面白くないんだ。なるほどな。

 

転スラ最大の特徴は、もしこれが独り言だったら周りのやつが反応してしまって物語が無茶苦茶になるくらい主人公の考えを常に説明する所だ。さらに、疑問に思ったことも大賢者が回答してくれる。何も考えなくても、物語を間違えずに読み取ることができる。

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あまりにもモノローグで思考を語ってるから、「口語調の思考」として、吹き出しが別で使われるくらいだ。これどっちも考えてることなんだけど、これが全部考えてることの吹き出しに入ってると、やたらと説明してる臭さが出るところ、モノローグで分析風に述べることで、「セリフでダラダラと説明する臭さ」が消えてる。すごい。モノローグで思考を語り続けるという発明だったんだ。

 

更に言うなら、鬼滅で四角で囲まれた思考は、義勇だったり鱗滝だったり炭治郎だったり、色んな人の思考で、それが誰の思考であるかを読み取らないといけないんだが、転スラにおいて四角モノローグは「主人公リムルの思考」にしか使われない。ここもとても親切な点だろう。

 

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ここで、何故刀の切っ先を向けて厳しい事を言っているのか、ということが読み取れない人もいるんだ。自転車に乗ったことのない、自転車に乗れない人が。そういう人にとって、いきなり鬼滅の刃を読んでも、この場面の意味は読み取れない場合がある。そういう人達でも、何も間違えずにスラスラと読める(スライムだけに)のは、すごい発明なんだ。

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これ全部主人公の思考なのに、独り言いってるようなもんなのに、臭さがない。そして必要な情報を説明臭くなく説明できるので、住民の笑顔から"この街はうまくいってる"とかいちいち読み取る必要はない。「住民の表情は明るい」「いい街だ」と説明があるからだ。

 

俺は鬼滅の刃のほうが転スラよりもくそ面白いと思うが、転スラのほうがくそ売れている。それは、そうなるだけの理由があるということで、世間の評価が間違ってるだとか、良いものが売れないのはおかしいとか、そういう見方をしてはいけない。