世界は広いということ
しぬこというツイッタラーがいる。
結婚したがってる適齢期の女というペルソナで、毒にも薬にもならないが、いいねとRTは貰えるようなツイートを心がけているアカウントだが、時々案件っぽいツイートが混じるので面白い。
そうくるとは思わんじゃん…………。 pic.twitter.com/kvxSnT45cU
— しぬこ (@shinukosan) 2019年9月22日
例えば今日のこれ。スープストックトーキョーの新作スープ2種を、スープストックトーキョーとかおいしかった!とかおすすめ!とかのNGワードを使わずに紹介するために、タマネギのネタまでプロデュースしたのかなとか思うととても味わい深い。これが怪しいな、案件だなと思えるか思えないかに人を信じる心の鍵がありそう。俺の馬車は誰にもやらんぞ!
オレオレ詐欺が進化して劇場複数犯になったように、女子大生がイモくさいオススメをしていた案件が進化してしぬこになった、と俺は思う。
そして、しぬこの案件が怪しいと感じられる人はそもそもしぬこをフォローしてない、というすごいフィルタリングがまずある。これは青汁王子とか、レペゼン地球とか、プレゼント企画もそう。
ツイッターは「世界中に呟きを発信していると自覚しろ」というのはよくきく話だが、ツイッターという、まるで国境のない世界にも、「しぬこをフォローする人たち共和国」とか「青汁王子第三帝国」とか「レペゼン地球民主主義人民共和国」みたいなカタマリは存在し、そこには境界線がある。
意識して境界線を超えないと、違う国のことは全く見えてこない。そこを超えて色んな国をみて、はじめて「ネット(世界)は広大で、俺の認知が隅々まで及ぶものではない」という実感を持てる。
他に俺が印象深かった国としては、山奥で独自の文化をずっと営んでいるエヴァ考察班民族がいる。
武蔵は作品世界の危機そのものなのでバキ世界の守護者である本部先生が立ち上がる #なんで本部先生がバキ世界の守護者になってるんですかねぇ・・・?
— クロダオサフネ (@kuroda_osafune) 2020年3月5日
多分この人がボスだと思うのだが、何年も何年もオタクな考察をし続けている。俺もオタク考察にはまった時期があるが、学校を卒業したり、好きなアニメが終わったり、色んな理由から人はオタク考察から足を洗う。しかし、インターネットを介して集まり、ずっとずっと終わらないエヴァ考察をし続ける民族がたしかに存在する。 #そして彼らはタグで会話するタグログ語を使用する
このタグログ語は本当にすごくて、昔のオタクの「それは小生が思うになんとかでゴザルな、デュフフ」のツイッター版だと確信できる。
こういういろんな、意識しないと見られない世界を、境界線を、そのあり方を認識してこそインターネットだと思う。弱いAIと強いAIみたいに、狭いインターネットと広いインターネットがある。