空白雑記

暇つぶし

東京大学物語が広めた「天才は刹那に多重積層思考をする」という間違いについて

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この瞬間にビスケとビノールトがすごい駆け引きをした、みたいな説を提唱されたので。

 

俺は

ビスケ「あー一級殺人犯のビノールトじゃん、こんなとこに居たのね。殺すか」

ビノールト「超つええ・・・勝てない・・・せめて武道家として散ろう」

ビスケ「クズじゃなくて武道家としての誇りがあるのか、じゃあチャンスやるわ」

 

くらいのもんだと思うんだけど。というかこれ以上いちいち考えないだろ?

 

東京大学物語が一番印象に残ってるけど、よくある頭脳型タイプが「こうなってこうなってこうだから・・・こうだ!」みたいな多重積層思考を一瞬で巡らせるやつ、あれ大嘘だと俺は思う。

 

天才とは、「天才と呼ばれるほどに何か一つの事に人生を捧げた超人がたどり着いた境地」であって、それは”直感”としか言いようのない、常軌を逸した下積みから発せられる、最適かつ無駄のない結論になる。

 

「体が意識しなくても勝手に最適に動くくらい」がスポーツ(肉体)の天才の境地だと俺は思うのだが、それは思考や他の天才も同じことで、たとえばアニメーターとか、イラストレーターとか、天才としか言いようのない線をいきなり引くだろ。鮨職人だって自然とスッスッと包丁を入れるし握ったシャリのサイズは一定だ。天才ってのは直感の人、勝手に思考が走るくらいに修練を積み上げた人間のことだよ。

 

バットを持ったらその日からパカスカホームランを打てる人間なんていないんだよ。イチローだって、小学生の頃から異常な練習量だったという。天才とは、才能とは、「超人が何か一つのことに人生を捧げて磨き上げた結晶」であって、それを「あいつは才能があったから」と凡人が一言で片付けるのはあまりにも失礼だと俺は思う。

 

苦労する前から才能に恵まれた人間なんていないよ。皆苦労して、「凡人が才能という一言で片付ける結晶」を人生を捧げて磨き上げるんだよ。働き方改革という、「苦労するチャンスを平等に奪い去る制度」は日本のすさまじい弱体化を招くと思う。

 

まあ、いきなりステーキとかを見てると、「滅びそうな国には滅びそうな政策が似つかわしい」し、まさに働き方改革はそういうものだと思うが。