空白雑記

暇つぶし

プロ奢ラレヤーさんのせいで地獄を見た話

はじめに

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始まりはこの一通のDMだった。

 

俺は現在、素性や経歴を明かさずに、自分のブログだけで、文章と能力だけで何ができるかという暇つぶしをしていたので、俺の文章だけで興味を持ち、文章の要望がきたのは面白いなと思って二つ返事でこれを受けた。「今月中にフロイトの精神分析入門を読破して文書を書きますよ」と。

 

これは大きな間違いだった。というか、間違いに気づいた時点で1万円を返してごめんなさいするのが絶対に正解だった。それは地獄のような体験だった。読書でこれほど苦しんだのは生涯初めてだろう。二度と、依頼(依頼じゃないって言ってるけど)は安請け合いしないと固く誓った。いい教訓になった。

フロイト「精神分析入門」を読んで

まずダイジェスト。といっても特にきついところだけでいいか

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※精神感応とは、濃厚接触をしていると思考が空気を伝わって伝染するという考え方です。テレパシーみたいなもん

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フロイトは、精神分析入門を読む限り、精神医の始祖の彼は、大手柄をあげた凡人に過ぎない。奇跡の人だ。

 

フロイトは、「性的欲求こそが人類のもつ根源的原罪であり、精神病や人の自我は全てこれに支配されている」という結論がまずあり、”これを証明しなければならない”という妄執に取り憑かれた凡人だ。だが、その妄執は凄まじく、彼は歴史に名を残した。

 

いや、「精神病患者が出たら狐憑きだとか魔術だとか言われてた時代」に、「精神病には性的欲求という原因があるはずだ。だから、そこを解き明かして心の在り様を掴むことができれば、精神病も治せるんだ」という妄執を持ったことは本当にすごい。

 

だが、彼は凡人なので、自分の説を構築するにあたって、あくまで「他者のサンプルに頼り、それを都合よく解釈することに終始した」これが彼が凡人だと思う最大の理由だ。彼に高い知能があれば、疑わしい点などにぶつかれば、自分の内面を見つめ直し、その自分というフィルターを通して他人というサンプルを見分するべきだった。まあ、インターネットもある21世紀から、第一次大戦の頃のフロイトを非難するのは卑怯だと思うが、それでもなお、彼の自論構築には才能を全く感じない。

 

拒食症とか自傷癖とか潔癖症を性的欲求に求めるのは流石に無理筋じゃないかと思うけど、「性的欲求こそが全ての原因」としないと壊れる状態に追い詰められてたのかなと思う。フロイトこそが、性的欲求が原因でないと壊れるという神経症だったのだろう。

俺の感想

それでも、多くの優秀な人間と議論したりしたせいか、とても注目すべき着目点はポツポツと見受けられる。

 

そもそも彼が提唱した、「無意識にある欲求と意識が衝突したときストレスを感じる(ストレスという概念はおそらくフロイト以後のものだろう、あったら使ってたはず)」というのは、とても良い着目点だと思う。

 

他にも、「人は必然的に結果に向かうので、一次大戦のあとに続く大恐慌さえも、空という最後の開拓地を人が制覇した代償だ」などという一言には、なるほどうーむと唸らされた。今まさに起きているコロナショックも、インターネットの代償だと思うからだ。

 

フロイトの考えを参考に思うのは、人は性的欲求ではなく、あらゆる欲求が満たされない時にストレスを感じ、それが許容量を超えると壊れるといった感じかなあ。人の心はストレスで壊れる、これはストレスで人間が壊れるところを見たことがあるのでそう思う。

 

心理学というより精神病分析は、人の心はどうして壊れるのか、どうすれば治るのかだと思う。欲求とは何かを定義するべきで、それは「こうなりたい」という願望かな。社会的欲求、性的欲求を含む食欲とかの本能的欲求も本能がそれを求めるというところか。

 

毎日ムチで打たれるだけの状況に落とされたとして、それは平穏にありたいという欲求を潰すからストレスなのではないか。ドMでご褒美ならそれからはストレスを受けないだろうし。

 

フロイトが続精神分析入門で足したエスや超自我も、後付で自論をツギハギしようとした腰のない理論だと思うし、エスは「攻撃性や性欲」に限らない。もっと根源の「こうなりたいという欲求」、それこそが人を霊長類に押し上げた「知恵の実」ではないかと思う。