空白雑記

暇つぶし

「乳腺外科医わいせつ事件」高裁判決を踏まえて。裁判は「裁判官わからせゲーム」でしかない

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被告と中立であろう弁護士コムは読んだけど、原告側の発信は見つからなかった。

 

大前提として、俺にはこの事件の真相がどちらかはわからない。軽く読んだくらいでわかるものではないだろう。

 

これらを前提に、原告として裁判を戦った俺は、「事件の被害者や、冤罪の被害者」にいつなるかもわからない、一人の一般人の視点で、「裁判とは裁判官わからせゲーム」であることを言いたい。

 

裁判は裁判官わからせゲームであること

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今回の事件が特にわかりやすい例だと思うのだが、「追加で矛盾が出てきたり、隠れていた真相が明らかになったり、新証拠が出てきたり」といったことはない。

 

逆転裁判というゲームでは、裁判を行う途中でまさに真相があきらかになったり、証拠が見つかったりするのだが、ではなぜ、そういう判決を変更すべき理由がないのに判決が「無罪」から「有罪」へと180度転換したのか?それは、「裁判官の解釈が変わったから」だ。

 

「乳首に唾液がついてたんでしょ」とかも、よく調べてみると「その検査結果には疑問があるのでは」となる。

1審は、看護師の証言などから、手術後に女性が「ふざけんな、ぶっ殺してやる」などと言ったと認定した。カルテには「不安言動は見られていた」とあるものの、せん妄との記載はなく「術後覚醒良好」と書かれていた。

高裁判決は、これらが病院関係者の証言であることにも触れ、「医療事件におけるカルテの記載の重要性などに鑑みて、言動を認定した1審の判決は合理性の観点から疑問を入れる余地がある」とした。

 関係者はおおっぴらに言えなさそうなことを俺が適当に言うと、「術後覚醒良好と書かなかった場合は、麻酔ミスとか疑われても面倒だし、とりあえず良好と書く慣習があったのではないか」と俺は予想する。これ自体はあるあるだと思うし、いざ刑事裁判という大事になったら、証言する、ということも考えられる。

 

記事でも書かれてる、「カルテには”術後覚醒良好、不安言動は見られる”と書かれていたが、ぶっ殺してやるなどと発言していたという証言があとからされた。」という事実の認定についても、一審では「カルテに書かれたことと証言をあわせて、せん妄があったかもしれない」、二審では「カルテに書かれた覚醒良好こそ真実、あとから出てきた証言は疑問、せん妄はなかった」としたように読める。

 

これが「解釈の違い」だ。裁判官のこういう解釈を引っぱり合うのが裁判というゲームなので、「裁判は裁判官わからせゲーム」なのだ。

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それは「この、”ゲーム開発では仕様書を事前に作成しない”などと、普通は考えられない主張をする相手」との裁判で、地裁においては実際に負けた俺は特に他人事に思えない。

 

そしてこれは、この事件を見てあーだこーだ言ってるそこの一般人のあなたがいつ何時巻き込まれるかもしれない事だ。裁判官の解釈一つで、あなたの人生が破滅することもあれば助かることもあるってすごく怖くない?俺は怖かったし夜眠れなくなったし味覚もなくなったし大変な目にあった。

 

ではどうすればいいのか?裁判官の主義主張や心境で左右されてはたまらない。だから、「疑わしきは被告人の利益に」という大前提がある。これは「裁判官わからせゲーム」が暴走しないようにするための、「ロボットは人を自分から傷つけてはならない」というロボット大原則のようなものだ。

 

せん妄だったかどうか。はっきりとわいせつが立証されれば、当然有罪なんだが、それがもつれ込んだ時、「疑わしきは被告人の利益に」は守られなければならない。

 

事実がわからないから、この原告と被告のどちらが正しいかについては置いておく。だが、「疑わしきは被告人の利益に」が守られてないように見えるから、「裁判官わからせゲームが暴走する」ことを恐れて、インテリがみんな騒いでるんだと思う。

 

「医者を守りたい」わけでも「男を擁護したい」わけでも「女を叩きたい」わけでもなく、「裁判官わからせゲームが暴走すること」と「その結果暴走した裁判に巻き込まれるのが嫌で医業が衰退すること」を危惧してるだけだ。

 

何度もいうが、俺は本当におっぱいを舐めてオナニーしたのかどうかは知らない。それがきっちり立証されたら勿論有罪にすべきだ。ただ、それが立証されてないような「疑わしき」で「有罪」にされるのはヤバい。