空白雑記

暇つぶし

ヒストリエのエウメネス

俺が今一番おもしろいと思ってる漫画は、ハンターハンターとヒストリエの2つで、無事に大傑作として完結したとき、俺は漫画の100点に出会うんじゃないかと期待している。

 

ハンターハンターの記事は書いたけどそういえばヒストリエの記事は書いてないし、ヒストリエの11巻が良すぎたので、俺なりにエウメネスの人生を解説しようと思う。

 

エウメネスは多少の諍いはあれど何不自由なく暮らしていたが、ある日自分を利用して養父を殺され、奴隷の身に落とされた。しかし、エウメネスの生母や父?はこの養父によって殺されていた。養父こそ親の仇である。その大きすぎる事実に打ちのめされ、よくも騙したと大声で罵る。

 

幸いにも奴隷の身から解放(?)され、村に流れ着いたエウメネスは、村人の一人として受け入れてくれた村に骨を埋めることになるのかもしれないと、普通の人間として暮らしていた。しかし、騒動の中で、自分が普通ではない事に気づいてしまう。戦いを楽しみ、知恵が回り、ギリシャ兵をまとめて皆殺しにしてしまえる才能が自分にあるのだと。

 

サテュラのことは本当に愛していた。だからけして忘れることなどできぬ。しかし、サテュラだけでなく、村自体が自分の命の恩人であり、家族も同然になっていた。それらを明らかに破滅させるような駆け落ちは選べない。

 

全ての罪を被り、村への恩からも解放されて完全な自由の身になったエウメネスは故郷に戻ってみる。

 

ヘカタイオスに恨みなどない。というかどうでもいい。エウメネスは、「家」や「国家」といった、アイデンティティの根っこを持たない。強いて言うならばエウメネスだからエウメネスなのだ。ヒエロニュモス家がヘカタイオスに陥れられ没落したのも、彼らの問題であって、自分の問題ではない。育ての母が生きていて困っていたら多少は助けたかもしれないが、それも死んでいた。兄貴にはせいぜい誠実に言葉をかけるくらいの義理しかない。マケドニア国王に直々に誘われたのでマケドニアにいったが、もしフィリッポスに出会わなかったらアテネにでも行っていただけだろう。

 

フィリッポスの命をこなしたり、アテネ潜入をこなしたりで、自分がやはり凡人ではないことは悟った。どこまでいけるのか、自分が勝てない敵がいるのか、それとも自分が最強なのかはわからないが、とりあえずやってみればだいたいのことはやってみせようという自信もある。

 

エウリュディケのことを愛した。今度は返さねばならないしがらみもない。もう、忘れられないような後悔もしたくない。エウリュディケを連れて逃げたら、そりゃあ多少の迷惑は及ぼすかもしれないが、そのために理不尽を飲み込めるほど、自分は普通の人ではない。エウリュディケが頷いてくれたなら迷わず連れて逃げたろうし、マケドニアが敵となるならアテナの将軍になるくらいの事はした。必ずうまくいくという根拠があるわけではないが、自分ならできるかもしれないという自信はある。しかしエウリュディケは頷いてくれなかった。

 

エウメネスには、繁栄させたい家もないわけで、別に野心もない。面白そうだから頼まれた仕事を引き受けて、暮らしてたらエウリュディケが好きになった。あのまま結婚できていれば、アッタロス家のためにしょうがねーなーと頑張ってたかもしれないが、王に持っていかれたし、その上王の左腕とかいう面倒くさい仕事が投げられそうになる。こりゃもうなんとか逃げるしかないけど、そんな状況から王の面子を潰して逃げるような真似したら間違いなく追手がかかるし、どうやって穏便に辞めて逃げるかなー、まあそのうち思いつくだろう。

 

そう思ってたら、パワハラ上司が「お前とエウリュディケの仲はわかってたけど、左腕がマケドニア貴族だとちょっと困るんで横取りした。お前の好きな女に俺の子供産ませるから、そいつのために尽くせや」と、最低なことを言い出したので、キレた。あれで自分が殺されるとしても、最低だと罵らずにいられなかった。

 

ここからどうやってエウメネスが左腕になるのか謎すぎる。はー早く続き読みたい