空白雑記

暇つぶし

尊厳死を認めたら介護の人たちは救われるのか?

「若者が老人を介護するために超どブラックで働かされるのはおかしい。家族や介護施設で働く若者の介護疲れを生む前に尊厳死を認めるべきだ」みたいな話を見かえてあまりにもアホだなあと思った。

 

「介護が超ブラックであること」と「老人がなかなか死なないこと」は関連しているように見えるが、一方を解決したからといってもう一方が解決するような問題ではない。

 

「昔ならぽっくりおっちんでた老人を介護するために超ブラックな介護業務につかされる若者」ってのは、見ようによっては「昔なら野垂れ死んでた能無しの若者が現代だから生きながらえられたので、人があまってやりたがる人のいない仕事をやるしかない」という見方もできる。

 

介護について

尊厳死を認めて老人が死を選べるようになっても介護の人は救われない。なぜなら問題はそこにはないからだ。

 

結局介護って"もし今より待遇や金が多少まともでも好んでなりたい仕事ではない"ってところに本質があって、"人のやりたがらない介護くらいしかできない能力の人"がやってるから足元みられて安くこき使われてるんでしょ?

 

その人達を救うのは介護の需要をへらすことではない。そこまで能力の低い個体をどういう風に生かしていくかという問題だ。「介護があるから苦しんでる」のではなく、「介護くらいしかできない能力」だから苦しんでる。

 

その人達って尊厳死が仮に認められて、介護の仕事が不要になったら、どんな仕事するんでしょ。事務やIT関係は当然できないよな?できたら介護じゃなくてそっちをしてるだろうから。

 

"社会が求める一般的な社会人としての能力"を大きく下回る人は確かに存在するし結構多い。これをどうするかって問題で、これを処せよというのが優生思想。ほっとくと、"そういう人でもできる仕事"を作る人がいる。介護とかね。ただ介護を取り上げたら、"そういう人でもできる仕事"がなくなる。

 

一つの答えが生活保護。処せないしほっとくと野盗になりかねないから、最低限の生活はさせてあげましょうってやつ。生活保護にすらリーチできない人もいる。そういう人はオレオレ詐欺の出し子にされたり、風俗で働かされて8割抜かれたりする。

 

介護でうんこの世話するの嫌なら生活保護受ければいいと思うが、働けるなら受けるなとか窓口で止められたりするんだろうね。俺なら生活保護を受けようとしたら絶対通してみせる。それは俺が生活保護を通す能力があるから。生活保護通す能力ない人は介護でうんこ拭いてる。

 

現状ある意味では生活保護は、本来知能はあるけど、止むに止まれず生活できない個体を救う制度になってる。全く知能のない個体でも国から働きかけて助けるのではなく、申告制で、かつハードルも多少あるらしいから。

 

尊厳死について

難病を伴う安楽死については、ある程度実現性があると思う。現代医学でも向こう10年は奇跡でも起きないと治らないという不治の病で、ALSや末期癌のような多大な苦痛と目の前にある死が確実なものであるなら、判例にもあるように安楽死は制度化してもよいと思う。ただ、厳格にせねばならないが。

 

たとえば、「費用は3000万円(税収とする)、病気と重篤度でポイントを制定。難病で苦しんだ年数にも1年毎にポイントを制定。1ポイントにつき100万円減額」とかね。現代は資本主義社会であるから、資本をハードルとするのが合理的だと俺は思う。

 

ただ、不治の病を伴わない、自ら選び取る尊厳死の制度化は不可能だろう。

 

まず転び公妨とか、パチンコ三店とか、特殊浴場自由恋愛とか、法律なんてよほど厳格にしないとたやすく逸脱するものであるのに、制度として「安楽死を求める人のような特段の事情を必要としない」結果としては”殺人”を認めることはあまりにも恐ろしい。

 

尊厳死の制度化って、ガチガチに固めて80歳以上とかに絞ったとして、最悪のケースでいうと条件満たしてるやつが一斉に押し寄せていきなり何百万人の命が消えた原因となるハンコを誰かが押さないといけないわけでね?そんなの押せる人、銀河皇帝くらいですよ。今の日本の政治家にいるわけない。

 

まあ、そんな制度化なんてしなくても、医療費の高騰とかで間接的に医療を受けられず、安楽ではない死を貧民が享受することになると思いますけどね。